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BEC18期認定者 江頭 奈津見さん
(乳がん体験者とリンパ浮腫コミュニティ なないろ代表)
情報過多の現代社会において、インターネットに溢れる情報をどのように精査するか、正しい情報にどうやってリーチするか迷っていた時に、乳がん体験者コーディネーター養成講座を知り受講しました。乳がん告知後は、周囲に乳がんのことを話す人がおらず、ひとり孤独に押しつぶされそうになっていた私でしたが、BECを受講したことで同期のみんなと出会うことができ、私はひとりじゃない!と心強く感じたのを覚えています。同期のみんなは志が非常に高く、同じく乳がんで辛い経験をした方たちのために、精力的にピアサポート活動などに取り組んでいます。そんな同期の姿を見たことがキッカケで、私も誰かのために自分の体験を活かしたいと任意団体を作りました。
現在、地元・福岡県田川市で社会福祉協議会の職員をしながら、「乳がんゆるふわお話会」を主催しています。団体のメンバーは看護師、美容師、歯科衛生士などの有資格者で、必要に応じて、多方面から乳がん体験者をサポートしています。10月のピンクリボン月間には乳がん検診啓発キャンペーンや乳がん講演会を行い、早期発見・早期治療の重要性を説き、乳がんについて正しく学び、乳がん検診の受診につなげる活動も行っています。BECの講座修了は私にとってはマイルストーンであり、乳がんになって悲しむ人がひとりでもいなくなることを願って、これからも活動を継続していきたいと思っています。
BEC12期認定者 小口 浩美さん
私がBECを知ったのは、病院の患者サロンにあった雑誌でした。「ここ見て!」と言うように開かれたページにはBEC5期認定の吉田久美さんの記事がありました。吉田さんは病院でピアサポート活動をしているという内容でした。そしてBECという認定を受けていると書いてありました。閉じていた世界が開かれたようで、私もやりたい!そう思い受講をしました。
当時、私が治療を受けている病院にピアサポーターはいませんでしたので、病院で活動するピアサポーターを目指しました。今は、長野県で「がんサポートおむすび」を立ち上げ、病院の外でも患者さん、ご家族と語り合う場所づくりをしています。
BECで学ぶことは難しい内容もありました。けれど、どれも大切な講義で今の自分の支えになっています。特に後期でおこなったロールプレイは気持ちだけで寄り添うことの難しさを体感しました。これから、BECを受講されるみなさんも、ロールプレイを楽しみに学んでほしいと思います。きっと、やりたかったことを実感してきます。
現在、病院でのピアサポートに登録していますが、これもBECへの信頼あってこそだと感じています。そして何より、期を超えて「BEC」というつながりで仲間ができました。BECでの学びと出会いは宝物です。
BEC7期認定者 御舩 美絵さん
「乳がんを経験した私だからこそ出来ることはないかな」。治療が一段落し、これからの自分の生き方を考えたときに、そんな風に漠然と思いました。そして何かのきっかけになればと思い、思い切って養成講座を受講することにしました。インターネットを使って、好きな時間に自分のペースで勉強できることも大きな魅力でした。実際に受講してみて、乳がんについて深く知ることができたし、正しい情報を取捨選択する力が身につき、世の中に溢れているいろんな情報に惑わされることがなくなりました。「がんと生き、がんを克服し、がんを超えて生きる」。これは私がこの講座を受講した中で、深く感銘を受けた言葉です。「こんな風に生きたい」と心から思いました。そして乳がん体験者コーディネーターに認定された今、私は病院でのピアサポートをはじめ、医療学会などで体験談をお話したり、がん患者のための冊子の編集業務などに携わることができています。初めての経験にドキドキすることもたくさんありますが、乳がんを経験したからこそ出来ることを、私なりに少しずつやっていきたいと思っています。
BEC5期認定者 吉田 久美さん
BEC受講のきっかけは、友人の言ったひとことでした。「久美ちゃんはすごいね。治療頑張ってるね。でも、私には無理だろうな。そんな辛い治療耐えられない。」確かに辛い治療でした。でも、周りの人たちに支えられてなんとか乗り越えることができたのです。「もし、そうなったら私が絶対支える」そんな思いが私の背中を押しました。自分の病気のことを知るのは怖かったけれど、学んで良かったと今は思います。
現在私は、神奈川県にある平塚共済病院で週3日活動しています。患者さんとお話しすることで、私自身も支えられていると感じています。そして、がんになっても私らしくいられ、社会貢献できる喜びも感じています。「ひとりじゃない。」そんな風に思える活動ができるのも、この養成講座で学んだことが根底にあり、自信に繋がっているからだと思っています。メンタルカウンセラーの資格も取得しました。まだまだ自分には出来ることがたくさんあると気づかせてくれたのも、この養成講座です。
BEC3期認定者 増田 美加さん
私は20数年間、女性医療の現場を取材しています。もちろん乳がんについてもたくさんの医師や患者さんの声を聞いて、記事を書いてきました。でも、7年前、自分が乳がんになって初めて気づきました。「何もわかっていなかった…」と。「心から患者視点で医療を見ていただろうか。表面的な知識でしかなかったのでは?」と正直、悩みました。
そんなときCNJの講座を知りました。乳がん体験者という立場が尊重され、そこで乳がん医療を学べる、というところに魅かれました。自分自身が体験することで得た知識は、何物にも代えられません。乳がんという命にかかわる重大な体験をした人の多くは、この体験を世の中のために役立てたいと思います。私もそうでした。でも個人の体験は、ともすると客観性のない、ひとりよがりのものになってしまいがちです。
この講座で、エビデンス(科学的根拠)のある情報の取り方や標準治療、ガイドラインの重要性を学べました。この講座での学びが、今の私の活動につながっています。「NPO法人女性医療ネットワーク“マンマチアー委員会”」では、同じくBECで認定を受けた仲間と毎月、乳がんに関する正しい情報を伝えるセミナーを開催しています。また、「NPO法人乳がん画像診断ネットワーク」では、医師、技師と患者の垣根なく、同じ視点で乳がんの検診や検査、診断の問題点を話し合っています。
そして、この講座で得た知識は、何より自分の財産になりました。自分の病気を正しく知ることは、がん患者なら誰もが頭の隅にある、再発や治療の恐怖に立ち向かう勇気をくれます。自分の身を守ってくれるのは、正しい知識だと実感しています。
BEC2期認定者 武岡 ひとみさん
私がBECを学び始めたのは第1期生の活躍が報道されたことがきっかけでした。手術から8年目「低リスク」と診断されていた私の乳がんは肺上葉部に転移しました。「もうがんから一生離れられない。それならば相手の正体を捉えなければ。」と講座に通い(当時は大崎で隔週の開講)初めて多くのがん体験者と出会うことができました。講座を受け、転移患者となり漠然とした不安を抱えていた私は「今はここまで悲しむ時期ではない。」と冷静な考えに引き戻されました。また同年代で同じ体験をしている仲間に出会い、初めて病気への本音を打ち明ける事ができました。資格取得後は、神奈川県、東京都でのピアサポート、がん教育の啓蒙活動に関わっています。また同期の仲間が立ちあげた乳がんサバイバーがコーラス隊 (Breast Cancer Survivor’s Chorus)にもBECの仲間が沢山います。ともに泣き、笑いながらゴスペルの歌詞に思いを重ね歌い続けています。私にとってBECの資格は「もう一度、新たな夢に向かう羅針盤」となりました。そしてまだまだ夢を追い続けている途中です。