NPO法人キャンサーネットジャパン > FAQs > 血液がん > Q81:海外で3回目接種後で同類疾患での中和抗体調査に関するエビデンスなどはありますでしょうか。
40代・悪性リンパ腫・大阪府

Q.81

WM(*注1)患者で分子標的薬にて治療中です。現在は体調に大きな問題はありません。 モデルナ2回目を接種し4週間後に自費で中和抗体検査を行いました。 基準値<50に対し78AU/mLで陽性ですが、健常者なら数百~数千の中和抗体があるとのことでブレークスルー感染(*注2)により重症化しないか心配です。 それと今後3回目のブースター接種(*注3)が国で計画されていますが、それを接種しても抗体価が十分に上がるかどうか心配です。まだ時期早々かもしれませんが、海外で3回目接種後で同類疾患での中和抗体調査に関するエビデンスなどはありますでしょうか。

(患者・40代・悪性リンパ腫・大阪府)

【注記】 (注1) WM:原発性マクログロブリン血症。  (注2) ブレークスルー感染:ワクチンをした後でも感染すること。 ワクチンがその目的とする病原体に対する免疫を提供出来ない場合に発生する。 (注3) ブースター接種:ワクチン接種の効果を高めるため、2回目、3回目のワクチン接種を行うこと。

A.

3回目のワクチン接種はイスラエルなどで始まっていますが、今のところ、これによって血液がんの患者さんで中和抗体価が上がるかをみた研究の報告は調べた限りありませんでした。中和抗体価があまり上がっていないということで、ご心配はあると思いますが、WMに対する治療効果や、他の治療選択肢でも同様(またはそれ以上)の影響があることを踏まえた上で、治療継続をお勧めしていることが多いです。

2021.9.8