NPO法人キャンサーネットジャパン > FAQs > 乳がん > Q36:乳がんのステージⅡです。COVID-19予防のため治療の順番が変わりました
40代・乳がん・大阪府

Q36:乳がんのステージⅡと診断されました。医師から、通常であれば、術前化学療法→温存手術→放射線治療だが、COVID-19のことがあるので、温存手術→術後化学療法→放射線治療をしましょうと説明を受けました。
COVID-19のことは心配ですが、だからと言って、通常ではない順番で治療を受けるのも心配です。主治医はいろいろ考えてくださっての提案なのでしょうが、どこの病院でも同じような判断をされているのでしょうか。セカンドオピニオンにも行けない状況の中、とても不安です。
40代・乳がん・大阪府

A:
ステージ2の乳がんでは、治療の順番と予後には差はなく、術前化学療法と手術のどちらが先でも「治る=再発しない」という可能性は全く同じです。化学療法を先にするメリットは、しこりが小さくなることで乳房切除が必要であったけれども乳房温存ができるようになるということです。他には治療の効果が目に見えてわかるというのがありますが、治りやすくなるということとは無関係です。ご質問の中に、手術を先にする場合でも乳房温存術と書かれているので、どちらを先にしても差はないということになります。一方で、新型コロナウイルス感染の危険性がある状況においては、院内感染が起きて化学療法を中断せざるを得なくなったり、白血球・好中球数が減少して一般的な感染を起こしやすくなったり、体力が低下したりする危険もあります。そこでそれぞれの病院の状況に応じて、患者さんの何が最善かを考慮しながら治療の順番を検討しています。したがって、治療の順番については安心して受けていいのではないかと考えます。
2020.05.19up