NPO法人キャンサーネットジャパン > FAQs > 放射線 > Q20:治療中です。ポートの感染で発熱したこともあります。今後の注意点を教えてください
患者家族・50代・大腸がん・東京都

Q20:家族が大腸がんで4月に放射線を受けました。抗がん剤治療も継続しています。 先日は鎖骨下のポートに感染があり発熱しました。 現在は平熱ですが、もし発熱があった場合、風邪やインフルエンザなど、それらと区別できるようなCOVID-19の特徴的な症状はありますか。咳も時々していますが、これについても心配になってしまいます。
患者家族・50代・大腸がん・東京都

A:
COVID-19はコロナウィルスが原因です。コロナウィルスは風邪の原因の一つですので、症状も「風邪」と基本的には変わりがないです。
さらに最近分かってきたことはCOVID-19に罹患した患者さんのうち、大部分が「軽症〜無症状」のようです。

COVID-19で気をつけた方が良い症状は「進行性」の「息苦しさ」です。
「進行性」とは、時間ないしは日の単位で増悪することなので、1週間前から息苦しいけど、悪化はしていないという場合には、コロナウイルスなど感染症による症状の可能性はかなり低いです。
さらに、症状は「身体を動かしたとき」に最初に出ます。
休んでいるときに苦しい感じがすることは「肺が原因」の可能性がかなり低いです。
症状が出てからも、動き出してから徐々に苦しくなるのが特徴です。

5月になったので、風邪やインフルエンザも減ってきていますが、皆様がコロナ感染症になる可能性は、極めて低いです。
例えば、当院では相当数の抗がん剤治療を実施していますが、コロナ感染症で重症になった人は「0人」です。
他の疾患と比べると実感が湧くかも知れません。
3月の交通事故による負傷者は33,000人、死者数は239人と、同月のコロナ感染症より遥かに多いです。
結核は年間で20,000人弱が罹患し、2,000人弱が亡くなります。
別ですが、
欧米より先に感染者がいた日本のコロナ感染症が、このあと欧米を超えるスピードで増える可能性はかなり低いです。

欧米のように爆発的に増えていれば
コロナ感染症をはじめとして、感染症は予防することで、罹患の可能性が下がります。
日常生活に悪影響のない程度に予防することは大切ですが、
過度に心配してストレスにならないように気をつけてください。

2020.05.05up