NPO法人キャンサーネットジャパン > FAQs > 血液がん > Q67:医療従事者です。移植から10年目ですが、ワクチン接種をして大丈夫でしょうか。
50代・B細胞性急性リンパ性白血病 ph +ALL・兵庫県

Q67:医療従事者です。移植から10年目ですが、ワクチン接種をして大丈夫でしょうか。
50代・B細胞性急性リンパ性白血病 ph +ALL・兵庫県

A:
移植して10年目ということは、慢性GVHDが持続していない限り、もう免疫抑制剤もずいぶん前に中止されているでしょうし、原病の再発リスクも極めて低いと思います。
さらに医療従事者ですか。頑張られていますね。

おそらく、新型コロナウイルス感染症に対する重症化高リスクには該当しませんが、医療従事者という点が感染高リスクかと思われます。
医療従事者は一般の方々の前(2月中旬~3月)に新型コロナウイルスワクチンの接種希望調査があると思われます。おそらくファイザー社(もしくはモデルナ社)のワクチンです。

CDC*の情報によると1回の接種で50%以上、2回の接種で95%以上の方に、少なくとも数ヶ月は重症化防止効果が期待されています。感染防止の点でも、ほとんど無症候性感染で収まると考えられており、後に述べる副作用のリスクよりは、有症候感染及び重症化の防止の利益の方が大きく上回ると考えられています。
*疾病対策予防センター:Centers for Disease Control and Prevention:CDC

国内も治験結果の解析が週明けにも行われ、すぐに医療従事者から接種が開始されると思います。

基本的には副作用の頻度は少なく、インフルエンザワクチン < 新型コロナウイルスワクチン < ペニシリンと言われています。
その多くは注射部位の発赤・腫脹・疼痛、発熱、倦怠感などで、2回目の接種で多いとされています。重篤な副作用はアナフィラキシーというアレルギー反応ですが、極めてまれで、ほとんどは注射後15-30分以内に発症します。

接種機関ではおそらく接種後15分の経過観察を行うと思いますが、それはこのアナフィラキシーに適切に対処するためです。
ですから、過去に何らかの薬や食べ物でアレルギーが出た既往などを問診時に伝えていただいた上で、接種可能と判断された場合は積極的に接種いただいた方がよいと思います。

2021.2.3