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Q56:コロナ禍で医療従事者として患者さんの対応に工夫することはありますか

Q56:コロナ禍で医療従事者として患者さんの対応に工夫することはありますか

Q56:感染を心配して化学療法を受けたくないという患者には、どのように対応したらよいでしょうか。

A:
HER2陽性やトリプルネガティブ乳がんはコロナ禍でも治療を遅らせるべきではない、ホルモン療法は多少の延期が可能などサブタイプにより対応は異なります。治療を遅らせるべきでない患者さんについては入念な説明が必要です。

オンライン乳がん市民公開講座Q&Aより 
2020.10.3

Q55:コロナ禍でピアサポーターは、どのように患者さんに対応すればよいですか

Q55:対面での対応が難しい状況で、ピアサポーターはどのような役割を担ってどのように患者さんに関わっていけばよいでしょうか。
対面でのピアサポートを実施する場合には、どのような感染対策が必要ですか。

A:
感染対策として外来受診が減ったことや、生活面でテレワークが増えたことにより、患者さんが人と関わる場面が少なくなっている中で、ピアサポーターの役割は高まっていると考えられます。最近はウェブでの患者会開催も増えており、電話での対応なども取り入れていくことをお勧めします。
対面で実施する場合には、人数を調整しソーシャルディスタンスを十分にとる、飛沫防止などの感染予防を行う、時間を短くする、飲食を控えるなど十分な対策を行うことが必要です。参加する患者さんにも、無症状でも感染している可能性を考慮して自己管理を行っていただくことをご理解いただき、慎重に開催するべきです。

オンライン乳がん市民公開講座Q&Aより 
2020.10.3

Q54:乳がんは重症化のリスクである基礎疾患と考えられますか

Q54:感染時に基礎疾患があると重症化しやすいといわれていますが、基礎疾患があるとは具体的にどのような状態でしょうか。
乳がんに罹患したということで基礎疾患があるということになるのでしょうか。
乳がんの治療が終了した後も基礎疾患があるということで重症化のリスクは高いのでしょうか。

A:
重症化のリスクファクターとして圧倒的に関連性が高いものは高齢であることです。リスクファクターとしての基礎疾患の中でも特に関連性が高いと考えられているものは、糖尿病、肥満、高血圧、喘息、循環器系疾患などです。がん患者さんの重症化リスクも高いといわれていますが、年齢や他の合併症が大きく影響するため、一概に重症化しやすいとは言えません。
術後や化学療法後ではホルモン療法中であっても特に重症化の懸念はないと考えられます。ただし化学療法中など白血球が減少している状態では、感染リスクの上昇や重症化の可能性は否定できません。また長期の化学療法を行った場合などは終了後も白血球が十分に上がらないことがあるので注意が必要です。

オンライン乳がん市民公開講座Q&Aより 
2020.10.3

Q53:ホルモン療法で重症化リスクは上昇しますか

Q53:ホルモン療法中に感染した場合、重症化しやすいですか。

A:
ホルモン療法で使用されるタモキシフェンは血栓症ができやすい傾向があります。COVID-19に感染すると血栓ができやすいといわれているため、タモキシフェン使用中の場合はこれがネガティブに働く可能性は否定できません。ただし日本人においてはタモキシフェンによる血栓症の報告は少ないため、過度に気にする必要はないと考えられます。

オンライン乳がん市民公開講座Q&Aより 
2020.10.3

Q52:ホルモン療法で感染リスクは上昇しますか

Q52:これからホルモン療法を開始することによって感染リスクは上がりますか。ホルモン療法中の感染リスクは高いですか。

A:
これまでのデータからは、ホルモン療法が感染リスクに影響すると考える根拠はありません。

オンライン乳がん市民公開講座Q&Aより 
2020.10.3

Q51:今までやっていた外出を伴うボランティアに携わってよいものでしょうか。
70代・患者・滋賀県

Q51:9月に胃全摘、胆のう全摘、食道一部切除をし退院後2週間です。一人暮らしで食事は配食と自分で作っています。病理検査の結果でこれから2種類の抗がん剤治療を開始予定です。6年前には前立腺がんで放射線治療をしました。手術はしていません。現在経過観察中で異常はありませんが、この状態で今までやっていた外出を伴うボランティアに携わってよいものでしょうか。これは頻繁に人と会います。筋力回復のため室内で行う介護予防の運動に参加してもいいですか。この状態での免疫力はどんな程度ですか。
70代・患者・滋賀県

A:
9月に大きな手術を終えられたばかりなのに、ボランティア活動に携わろうとの気力をお持ちであることに感服いたします。きっと、とても順調な術後経過ではないかと思いますが、ボランティアを行われる状況はさまざまなので、一概に良い悪いと判断することはできません。また公共の場での感染のリスクはゼロにはなりません。そのようなリスクや、そして接する方々の状況をよく理解し、また、ご自身の体の状態(抗がん剤治療で予測される影響や、感染しやすい状態であるかなど)について、主治医や看護師とご相談いただき、理解したうえで行動を広げていただくのがよいと思います。リハビリはしっかり頑張ってください!

2020.10.28up

Q50:「新しい生活様式」を厳密に実行する必要はもう無いのでしょうか?
20代・患者・20代・Ph+ALL(成人急性白血病)・岐阜県

Q50:最近、アクリル板が無いのに向かい合っての食事、短時間マスクせずに会話、レストラン等でのバイキング形式再開などを日常生活やテレビなどで見かけます。「COVID-19の詳細も前よりは明らかになったため、『新しい生活様式』を厳密に実行する必要はもう無くなった」ということなのでしょうか。健康な人・治療中の人について、それぞれ教えてください。
20代・Ph+ALL(成人急性白血病)・岐阜県

A:
COVID-19が世界的に流行し、欧米を中心として罹患者、死亡者数が急上昇したときには、 日本でも同じようなことが起こるのではないかと心配されていました。
しかし、欧米でも死亡者数は減少し、アジア諸国ではそもそも欧米と比べて死亡者が著しく低いことが分かりました。

感染を防ぐ生活は、コロナ感染症のみならず、今後はインフルエンザの予防などにも有効です。
今年はコロナ以外の感染症が減少しているのは、みなさんの生活様式によるものと思います。 一方で、そのような生活様式は、経済などにも悪影響を及ぼします。
インフルエンザは年によっては、コロナ感染症よりも、はるかに深刻な感染症であるはずですが、 わたしたちは、生活様式を変えることはしていません。
コロナ感染症などのリスクを少なくすることと、その悪影響とのバランスを考える時期になっています。 健康な人では、いままでの生活を取り戻すことが必要ですし、 病気の方は、いままでどおり、注意した生活をすることが必要かも知れません。

コロナ感染症の一番の特徴は高齢者での重症化であることにも注意が必要です (逆に、若者のリスクは著しく低いので、生活様式を変えることのデメリットが大きくなります) 。
そういった意味では、コロナ感染症の実態が分かってきたことからも、 現時点ではそこまで厳格な感染予防策をとる必要がなくなっているのが事実かとは思います。
ただし、現時点でもコロナ感染症の風評被害は由由しき問題でもありますし、 今後の流行などには一定の注意を払う必要はあると思います。

2020.10.08up

Q49:家族に発熱があった場合、コロナ感染についての受診は、患者である母の治療先にも報告すべきでしょうか。
70代・患者家族・神奈川県

Q49:
母(72歳)が明日から術後初めてのケモ目的の入院です。
現在母と私と息子(娘、32歳・孫、5歳男児)の3人暮らしです。昨日から倦怠感があり2,3時間前から発熱38.7-38.9℃です。コロナの感染や受診は母の治療先にも報告すべきでしょうか。
70 代・患者家族・子宮体がん、乳がん・神奈川県

A:
まずは、地域の保健所など担当部署に問合せて、新型コロナウィルス感染の検査が受けられる施設・病院に問い合わせて、発熱されたご本人が、新型コロナウィルス感染症に感染されているかどうかを調べられることをお勧めします。
また、お母さまの治療先の病院にはご連絡していただいた方がよいと思います。
その後の治療や入院の延期の可能性も含めて主治医の先生とよくご相談ください。

東京都福祉保健局のホームページですが、下記のリンクもご参考にしてください。

東京都福祉保健局:新型コロナウイルス感染症にかかる相談窓口について
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/coronasodan.html
各都道府県の新型コロナウイルスに関するお知らせ・電話相談窓口
https://www.kantei.go.jp/jp/pages/corona_news.html

2020.09.28up

Q48:骨髄移植後3年経過。コロナにかかった場合、健康な方と症状はちがいますか。
20代・患者・急性リンパ性白血病

Q48:骨髄移植後3年経過しました。血液検査でも免疫力は十分にあることがわかっています。免疫抑制剤は週1回プログラフ0.2mg、2ヶ月に1回レミケード点滴(クローン病治療のため)です。この条件の人がコロナにかかった場合、どのくらいの確率で重症化するのか、もしくは20代の健康な方とほぼ同じ症状がでるのか知りたいです。仕事で毎日外出している主人がいるので、私も健康な方と症状がほぼ変わらないと分かると安心できます。よろしくお願いいたします。
20代・急性リンパ性白血病

A:
造血幹細胞移植を受けられた患者さんは感染症に対するB細胞による抗体の産生やT細胞による細胞性免疫が移植前の治療や移植後に投与されている免疫抑制剤によって低下していることが多いです。
そのため新型コロナウイルスに感染した場合に重症化する可能性はあります。

しかしながら移植を受けた患者さんに関しての感染症の頻度、重症度に関する報告は欧米を含めて極めて少ないのが現状です。
良いように考えれば、現実的には移植後の方が新型コロナ感染症に特別多く罹患したり、重症化していないのかもしれませんが、今後の報告を確認していく必要があります。

感染予防としては、手洗いを頻回に行い、不特定多数の多くの人が集まる場所に長時間止まるのは可能な限り避けていただき、身近な方が感染あるいは濃厚接触した場合には、PCR検査を含めてかかりつけの先生に、慎重に経過観察していただくのがよろしいかと思います。

2020.09.2up

Q47:化学療法終了後に特に気を付けることはありますか。
60代・患者・子宮体癌・愛知県

Q47:昨年、子宮全摘術後、AP療法6回を5月に終了。血液の数値が半年は底値安定で正常範囲に戻らないとのこと。 (COVD-19の拡大している今)特に気を付けることがあればお聞きしたいです。
60代・患者・子宮体癌・愛知県

A:
化学療法を受けられていますが、昨年の5月に終了ということであれば、化学療法終了後、1年以上経過されているということですね。
それですと、コロナにかかるリスクが一般の人よりも、すごく高いということではないと考えられますので、過度に恐れる必要はないかと思われます。

2020.08.21up

Q46:乳がんの経過観察中です。この状況下で検査には予定通り行くべきでしょうか。
50代・患者・乳がん・三重県

Q46:乳がんの経過観察中です
6年目の検査を控えています。検査には予定通り行くべきでしょうか?通院先が東京都なので迷っています。
50代・患者・乳がん・三重県

A:
落ち着いてきたように見えた新型コロナウィルス感染拡大については、全国で再び増大しています。そのような中でのご不安もあろうかと思います。
ケモ(化学療法)中の定期検査はルーチンではありませんが、ホルモン療法中(10年)は年に一回程度の検診が推奨されています。今までに同様の質問があり、専門の先生にお答えをいただいています。
【Q.44】(乳がん)、【Q.13】(*がん種は違いますが「子宮頸がん」カテゴリーから見ていただくと探しやすいです)。ぜひ、ご参照ください。

また、下記のサイトもご参考にしてください。
《日本がん学会サイト:新型コロナウイルス感染症とがん診療について(患者さん向け)Q&A》
・「がん治療後の経過観察のための検査がありますが、受けるべきですか?」
・「現在、がんの治療を受けています。延期した方がよいのでしょうか?」
http://www.jca.gr.jp/public/c_q_and_a.html

《日本癌治療学会,日本癌学会,日本臨床腫瘍学会(3学会合同作成):新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療について(患者さん向け)Q&A》
・「新型コロナウイルス流行期におけるがん関連の検査について:がん治療後の経過観察のための検査がありますが、受けるべきですか?」
http://www.jsco.or.jp/guide/index/page/id/259#qa

2020.08.9up

Q45:がん治療中の患者には手作りの布マスクはよくないでしょうか
50代・患者家族

Q45.最近衣料メーカーも布製のマスクを販売していますが、不織布の使い捨てマスクと比較して、新型コロナウイルス感染防止の効果は変わらないのでしょうか? 布マスクはカビに注意が必要との情報もあるようですので、着用時間などの目安があれば教えてください。
50代・患者家族

A:
マスクを使用する主な目的は、自分の感染症を他の人にうつさないようにすることです。
体調不良時は外出を控えることが最も重要ですが、もし何らかの理由で体調不良時に人前にいる場合には必ずマスクを着用する必要があります。この場合、市販の布製マスクで問題はありません。口と鼻をしっかりと覆えていれば、くしゃみや会話の際に出る飛沫の飛散をしっかりと抑えてくれます。

一方、他者の飛沫から自分を守る効果は限定的とされており、使い捨てでも再利用マスクでも過信しないようにしましょう。流行時は、リスクのある場所へは出向かないことが一番重要です。マスクは使い捨て、市販の布マスク、手作りのいずれでも問題はありません。手作りの際には布は最低2枚以上重ねることが勧められています。

マスクは毎日洗濯しましょう。
マスク着用時に新型コロナウイルス感染症患者へ曝露したリスクがあまり高くなければ通常の洗濯でよいと思います。
もし曝露したリスクが高そう(マスクに新型コロナウイルスが付着している懸念がある)な場合は、洗剤等で通常の洗浄後1分間沸騰したお湯にマスクをつけたり、薄めた次亜塩素酸ナトリウム液(作成方法は以下リンク先
PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/000617981.pdf)
に5分つけた後に、しっかりゆすぐとより安心です。

ただ、このような消毒に耐えうる素材のマスクである必要があります。(伸縮性のある素材は使用中にフィルター効果が低下しやすく、高温の洗濯に耐えられない懸念から世界保健機関は推奨していません。)洗った後はしっかりと乾燥させましょう。
着用時間に目安はなく、無症状の人でもリスクがある場所では着用しましょう。
具体的には屋内や、屋外でも周囲の人と1-2m以上の距離の確保が困難な場合です。逆にそれ以外の場面では外すことが可能です。
なお、感染を防止するためにはマスクを適切に着脱することが重要です。
(リンク先は厚生労働省
Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=VdyKX4eYba4&feature=youtu.be)

海外でのマスクの洗濯に関する推奨
世界保健機関の推奨(PDF)
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwjJ6sya4v7qAhVba94KHbc1BQUQFjAAegQIBhAB&url=https%3A%2F%2Fapps.who.int%2Firis%2Frest%2Fbitstreams%2F1279750%2Fretrieve&usg=AOvVaw3OEk7GblHnLXwd5oEzXFJ1
米国疾病予防管理センターの推奨:https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/how-to-wash-cloth-face-coverings.html
2020.8.4up

Q44:乳がん治療中(タモキシフェン)。毎年1年に一度の定期検査はコロナ感染のリスクを考えて延期した方がいいでしょうか
40代・乳がん・東京都

Q44:乳がん治療中(タモキシフェン)です。毎年1年に一回程、マンモグラフィー、エコー、CT、などの定期検査を予定してます。コロナ感染予防や、病院の逼迫を鑑みて、コロナ禍の社会では、再発転移を発見するための検査は、延期した方がよいのでしょうか。コロナ感染も再発も不安です。
40代・乳がん・東京都

A:
ご質問ありがとうございます。新型コロナウィルスの感染拡大が終息していない中での定期健診についてはご不安もあろうかと思います。
がん種は違いますが、同様の質問がQ.13に掲載されています。また、日本癌学会の「新型コロナウイルス感染症とがん診療について(患者さん向け)Q&A」に次のQAが掲載されています。
「3)がん治療後の経過観察のための検査がありますが、受けるべきですか?」、「●治療全般のこと1)現在、がんの治療を受けています。延期した方がよいのでしょうか?」。(http://www.jca.gr.jp/public/c_q_and_a.html
加えて、日本癌治療学会,日本癌学会,日本臨床腫瘍学会(3学会合同作成)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療について(患者さん向け)Q&A」の「●新型コロナウイルス流行期におけるがん関連の検査について 3)がん治療後の経過観察のための検査がありますが、受けるべきですか?」(http://www.jsco.or.jp/guide/index/page/id/259#qa)こちらも参考になるかと思います。
また、このページに「COVID-19関連情報リンク集」は随時アップデートしていますのでご参照ください。
まだまだ油断できませんが、少しずつ予防法も分かってきています。一緒に乗り越えていきましょう。

2020.07.25up

Q43:マスクを装着し続けることでマスクに菌は繁殖しませんか。必ず装着していた方がよいでしょうか
40代・肺がん・大阪府

Q43:梅雨に入り、菌が繁殖しやすい季節にずっとマスクをつけていてかえって、菌がマスクに繁殖しないのでしょうか。そこに少量でもコロナが付いていたらかえって危険になるのではないでしょうか。マスクは建物や乗り物の中では必ず付けていた方がいいでしょうか。
40代・肺がん・大阪府

A:
[マスクを扱う際の注意]
・マスクを再利用する場合は、適切な洗濯が必要です。
・マスク使用中もマスクの表面を触らないなど、適切な使用を心がけてください。
・現在の首都圏では、他の人と十分な距離が保てない場合、マスクを着用することが推奨されます。
ただし、屋外など周囲の人と十分な距離があり換気の良いところでは、着用は必須ではありません。

[マスク着用の目的]
新型コロナウイルス感染症にかかってから症状が出るまでに、通常5日前後かかります。
現在までの研究の結果、症状が出始める前後の人が、最も周囲の人を感染させるリスクが高いことがわかっています。つまり、まだ咳などの症状がない人でも、周囲の人に感染を伝播させる可能性が高いということが知られています。
では、どのように感染させてしまうのかというと、話をする際に飛散する唾液中に多量のウイルスが含まれていることが知られており、発症直前の人の唾液中のウイルスを別の人が吸入することによって感染が伝播してしまいます。このため、唾液が飛散する範囲以内(約2m)に人がいるような場合は、マスクを着用することが推奨されています。これはあくまで、自覚も症状もない人が発症する直前であるかもしれないので、マスクを付けて、周囲の人に感染させないようにするためのものです。
感染していない人が、マスクをつけることによって、感染を防御できるかどうかに関しての十分なデータはまだありません。
現在、厚生労働省や米国疾病管理予防センター、世界保健機関などは、少なくとも流行地域においては、他の人と十分な距離をとれない場合はマスクを着用することを推奨しています。

[マスクの管理]
着用中のマスクの表面は、ウイルスで汚染される可能性があり、その取扱いに注意が必要です。
いったん着用したらマスクの表面には触れず、着脱は耳のゴム紐を触って行います。
外したマスクの表面で、周囲を汚染させないような注意も必要です。(速やかにごみ箱に捨てるか、袋などにしまう)
もしマスクの表面を触った場合は、速やかに手を洗いましょう。
世界保健機関は熱水(60℃)や塩素系漂白剤による洗濯を推奨していますが、米国疾病管理予防センターは通常の洗濯機での洗濯、手洗いであれば漂白剤を用いた洗濯を勧めています。

2020.06.11up

Q42:「新しい生活様式」について、今後通院する際に患者が気を付けることはありますか
20代・小児がん・東京都

Q42:新しい生活様式、という言葉が聞かれるようになりましたが、通院で病院を訪れる際に、患者側が気をつけることはありますでしょうか。
また、医療者が患者に「こうしてほしい」と思うことはありますでしょうか。
20代・小児がん・東京都

A:
主治医に、免疫が下がっているかどうかを確認してください。免疫が下がっている場合には通院の交通手段や病院内の待合室の過ごし方も良く考えなければなりません。
すでに治療を終えている患者さんについては、問題はありません。必要以上に心配せず、病気のない人と同程度にウイルスに気をつけてもらえばよいです。
実際には、10歳以下の小児がん患者が新型コロナウイルスに感染しても、重症になることはほとんどありません。10歳~20歳は重症になる人が少しいますが、20歳以上に比べるとずっと少ないようです。

2020.06.09up

Q41:前立腺がんのホルモン治療は免疫力を低下させますか
80代・前立腺がん・兵庫県

Q41:現在、早期前立腺がんのホルモン治療中です(治療開始後,半年経過)。このホルモン治療は免疫力を低下させますか。もし、免疫力の低下を招くとすれば、COVID-19対策上ホルモン治療の中断を選択肢の一つとしてよいでしょうか。なお、 自分は十年前に皮膚癌(有棘細胞)、六年前に肺癌(腺癌)を患いましたが、現在まで再発はしておりません。
80代・前立腺がん・兵庫県

A:
一般にがん患者さんは、がんに罹患されていない方より、コロナウイルス感染の危険性が高いと言われております。
ただし、最近のイタリアからの報告より、前立腺がんでホルモン治療を受けている人は、ほかの前立腺がん患者さんや、ほかのがん患者さんより感染リスクはかなり低いことが明らかになりました(5倍かかりにくい) 。
この理由として、ホルモン治療は、コロナウイルスが体に侵入するために必要な分子を少なくするためと考えられています。 ですので、 安心してホルモン治療を継続ください。ただし、ホルモン治療は、長期になりますと骨や筋肉を弱くしますので注意が必要です 。しっかり日光に当たって、ビタミンDを蓄えましょう 。

2020.06.02up

Q40:2歳以下の子どもにマスクをさせてはいけないのでしょうか
患者家族・福岡県

Q40:1歳半と7歳の子ども(小児白血病で治療をうけました)がいます。米国CDC(米国疾病予防管理センター)より2歳以下の子供にはマスクをさせてはいけないと警告があったそうですが、日本でも同じでしょうか?
患者家族・福岡県

A:
“日本小児科医会からも同様の警告が出されています。
理由として、小児では発症率が低いこと、もともと気道が狭いので、口をふさぐことにより、空気の通りがより妨げられ、状況(睡眠中など)によっては危険であること、嘔吐した場合誤嚥しやすくなることなどが挙げられています。”

2020.05.27up

Q39:レムデシビルが特別承認されたとはどういうことですか。がん患者も使えるのでしょうか
患者

Q39:レムデシビルが特別承認されましたが、特別承認とはどういうことでしょうか。がん患者も使えるのでしょうか。
患者

A:
特例承認については
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58829500X00C20A5MM8000/
などを参照下さい。
一般には、国内で薬剤が使用できるためには国内の承認プロセスを得る必要がありますが、今回は米国の規制当局の判断を利用して早期に日本でも承認したと言うことです。
レムデシビルは、がん患者でも使えますが、そもそも使えるかどうかは、コロナ感染症の重症度などに応じて決まります。

2020.05.19up

Q38:がんサバイバーは基礎疾患ありと認められますか
60代・食道がん、肺がん・千葉県

Q38:がんサバイバーは基礎疾患があると認められるのでしょうか。行政のホームページを見ると、症状が出てから検査して入院治療まで10日間位かかると書いてあります。早めに処置して貰えず亡くなっている方もいるようですので、大変不安に感じています。
60代・食道がん、肺がん・千葉県

A:
「基礎疾患」は、一般に肺気腫、喘息などの慢性呼吸器疾患、高血圧を除く心不全などの慢性心疾患、慢性腎疾患、慢性肝炎を除く慢性肝疾患、血液疾患、神経/神経筋疾患、糖尿病、小児領域(子ども)の慢性疾患、そして悪性腫瘍、慢性リウマチ、膠原病などの疾患や治療に伴う免疫抑制状態に分類されます。

一方、「がんサバイバー」とは、がん治療を終えた方だけでなく、がんと診断されたばかりの方や、治療中や経過観察中の方なども含む、すべての「がんを体験している、体験した人」のことです。

がんサバイバーの中で「基礎疾患」を有する方は、現在治療中もしくはその副作用等で免疫状態が下がって病悩されている方に絞られます。
従って、ご質問の「がんサバイバーは基礎疾患があると認められるのでしょうか」のお答えは、「いいえ」となります。
ご自分の免疫状態に心配、不安のある方は、主治医、かかりつけ医の先生に一度確認されると良いと思います。

いずれにしても、人と人との距離を取ること、外出時のマスクの着用、石けんによる手洗いや手指消毒の励行、家やオフィスの換気を十分にすること、十分な睡眠とバランスの良い食生活、適度な運動などで自己の感染予防対策をしっかりしていただくことが重要です。そして、ご自身が感染を避けるだけでなく、他の人に感染させないように徹底しましょう。

2020.05.27up

Q37:がん患者は治療中にワクチン接種をしても大丈夫ですか
50代・肺がん

Q37:新型インフルエンザが流行ったときは、次のシーズンにはワクチンができていたような気がします。今回の新型コロナウイルスワクチンも、早い段階でワクチンが摂取できるようになるのでしょうか。がん患者は治療中にワクチン接種をしても大丈夫でしょうか。
50代・肺がん

A:
COVID-19については、どのようなワクチンが開発されるかまだ分からない状態です。
ちなみにがんの患者さんのインフルエンザワクチンの予防接種については「国立がん研究センター がん情報サービス」の「がん患者さんのためのインフルエンザQ&A」をご参照ください。

がん情報サービス:
https://ganjoho.jp/public/support/infection/infulenza.html

2020.05.19up