治療中・治療後の恋愛 がんのこと、性生活に関することを、いつ、どう伝える?
がんの治療中や治療後に出会った人に対して、付き合う前にがんのことを伝えるかどうか、迷う人は多いのではないでしょうか。がんのことを話したら相手がどう反応するかを考え、恋愛に消極的になる人もいます。
病気のことをいつ伝えるかは正解のない問題ですが、一般的には、ある程度信頼関係ができてから伝える人が多いようです。ただ、なかには、「いい雰囲気になってから病気のことを伝えて別れを切り出されたら嫌なので、早い段階で病気のことを伝える」、「外見から病気をしたことが分かるので、伝えざるを得ない」という人もいます。病気のことを分かってくれる人とのみ付き合いたいという人もいるでしょう。恋愛対象の人に病気のことをどう伝えるかは、あらかじめ定型文を決めたり、家族や友達を相手に練習をしたりしておくと、いざというときに気まずい思いをしなくて済みます。
一方、病気やがん治療によって、性機能障害が生じていたり、不妊になってしまったりしたときに、そのことを恋愛対象の相手やパートナーにどのタイミングで伝えるかは難しい問題です。やはり、親密になってから伝える人が多いようですが、早い段階で伝えて、そのことを受け入れてくれる相手とのみ付き合うことを選ぶ人もいます。
キャンサーネットジャパンが、がん経験者とそのパートナーを対象に2021年に実施した「がん経験者の性生活への影響の評価とセクシュアリティ支援ツールの開発」調査では、「性生活への影響については自分かはら話しにくいので、パートナーに医療者から説明してほしい」という声も寄せられました。がんの治療によって、性機能や妊孕性に影響が出る可能性が高い場合には、パートナーにもそのことを説明してもらえないか、必要に応じて担当医や看護師に相談してみる方法もあります。
キャンサーネットジャパンでは、「もっと知ってほしい がんと性にまつわること」という冊子を作成し、誰でも無料でダウンロードできるようにしています。がんの治療による性生活への影響をパートナーに理解してもらうためのコミュニケーションツールとして、この冊子やいまご覧になっているサイトを使っていただければ幸いです。