データから見るセックス-がんやがん治療は性生活にも影響-

4人に1人はセックスの頻度が減り、現在は全くない人も

キャンサーネットジャパンでは、2021年1月8日~2月14日、がん経験者とそのパートナーを対象にインターネットで、「がん経験者の性生活への影響の評価とセクシュアリティ支援ツールの開発」調査を実施しました。この調査には、10代~80代以上のがん経験者480人、そのパートナー89人、計569人が回答。性別を答えた人のうち、女性が317人、男性が155人でした。

経験したがん種(複数回答可)は、乳がん(171人)、悪性リンパ腫(55人)、白血病(41人)、子宮がん(32人)、前立腺がん(32人)、大腸がん(31人)、肺がん(22人)、胃がん(19人)など多岐に渡りました。経験した治療(複数回答可)は、手術が最も多く72.3%(340人)、化学療法が64.7%(304人)、局所の放射線治療36.0%(169人)、全身放射線照射5.5%(26人)、ホルモン療法31.5%(148人)、ストーマ造設3.6%(17人)、乳房再建術11.9%(17人)でした。

治療前に比べ性交渉の頻度に変化があったかについては、「だいぶ減った」が19.9%(86人)、「少し減った」が6.3%、「変わらない」が20.1%(87人)で、53.7%の人が「現在は全くない」と回答しました。

がん患者やパートナーの3割ががん治療後の性生活に不満

現在の性生活にとても満足している人もいる一方で、「全く満足していない」13.0%(56人)「あまり満足していない」17.6%(76人)で、約3割の人は性生活に不満を抱えていました。

がんやがん治療による具体的な影響(複数回答可)は、「特にない」人もいる一方で、「性欲の低下」が40.1%(173人)で最も多く、「性交疼痛」17.6%(76人)、「勃起障害」11.4%(49人)、「射精障害」5.6%(24人)を抱えている人もいました。

参考文献

・認定NPO 法人キャンサーネットジャパン「がん経験者の性生活への影響の評価とセクシュアリティ支援ツールの開発 」アンケート調査(2021年1月8日~2月14日、がん経験者とそのパートナーを対象にインターネットで実施)