LGBTQ+/SOGIEとは
LGBT、LGBTQ+は、性的マイノリティの総称です。LGBTは、Lはレズビアン(女性同性愛者/Lesbian)、Gはゲイ(男性同性愛者/Gay)、Bはバイセクシュアル(両性愛者/Bisexual)、Tはトランスジェンダー(性自認と出生時に割り当てられた性が一致していない人/Transgender)の頭文字から作られた言葉です。性的マイノリティはLGBTだけではなく、他にも多様に存在するため、最近ではLGBTQ+が使われるようになってきています。Qはクエスチョニング(Questioning)など性自認、性的指向が決まっていない、どちらかに決めたくない人を表し、Q+とすることで多様な性的マイノリティが含まれます。
さらに、「女性、男性どちらとも断言できない身体構造を持つインターセックス(Intersex)の人」のIを表面に出した「LGBTQI+」、「誰に対しても恋愛感情や性的欲求を抱かないアセクシュアル(Asexual)な人」のAも入れた「LGBTQIA+」という言葉が使われることもあります。
一方、SOGIE(ソジー)は、性の多様性を表す言葉です。どのような人を好きになるかといった「性的指向(Sexual Orientation)」と、自分の性別をどのように感じているかという「性自認(Gender Identity)」の頭文字と、性や服装、髪形、自分を何と呼ぶかなど表す性である「性表現(Sexual Expression)」のEを組み合わせた略語です。「SOGI(ソジ)」と表記されることもあります。
SOGIE、つまり、性的指向、性自認、性表現は、全ての人が持っているものです。特定の人の問題ではなく、全ての人の権利と捉えるために、国際的には、SOGIEという言葉が多用されるようになっています。
日本労働組合総連合会(連合)が20~59歳までの民間企業などで働く1000人(出生時の性で女性500人、男性500人)を対象に2016年に実施した「LGBTに関する職場意識調査」の結果では、LGBT等性的マイノリティの当事者は約8%でした。電通が、20~59歳の6万人を対象に2020年12月に実施した「LGBTQ+調査2020」では、LGBTQ+の割合は回答者の8.9%で、13人に1人程度がLGBTQ+ということになります。
厚生労働省の「職場におけるダイバーシティ推進事業」調査によれば、職場の中で誰か1人以上に自分の性的指向や性自認について伝えている人は、レズビアンの8.6%、ゲイ5.9%、バイセクシュアルの7.3%、トレンスジェンダーの15.3%で、6~7割の人は家族や友人も含め「誰にもカミングアウトしていない」と回答しています。そもそも自分のSOGIEは目に見えるものではなく、本人が伝えない限りはわからないものです。
LGBTQ+の人を実際に知らないとしても、カミングアウトしていないだけで、クラスメイトやがん患者、医療従事者などの中にも必ずいるという前提で話をしたり、医療環境を整えたりする必要があります。
なお、国際的には、新たな国際疾病分類ICD-11が2022年1月から発効され、性同一性障害(GID)という病名は廃止され、「性別不合(GI)」で統一することになりました。
参考文献・参考サイト
・日本労働組合総連合会(連合)「LGBT」「SOGI」ってなに?
・「LGBTに関する職場の意識調査」
・兵庫県明石市「LGBTQ+/SOGIEの基礎知識」
・電通「LGBTQ+調査2020」
・WHO Improving the health and well-being of LGBTQI+ people
・厚生労働省の「職場におけるダイバーシティ推進事業」調査