治療が終わってから
ようやく治療が終わりました。喜んで良いはずなのに、急に放り出されたような気がします。
治療が終わると、目前のストレスから解放されてホッとする反面、これまで身近にいた医療者との接触は少なくなります。また、これからの生活や再発への不安など、様々な感情がわきでてくる時期でもあります。「こんなことで」と遠慮せずに主治医に相談し、必要なときは精神腫瘍医や臨床心理士を紹介してもらいましょう。また経済的な面や日常生活の支援についての相談は、各がん診療拠点病院に設けられたがん相談支援センターや自治体の福祉保健局などで受け付けています。
このほか患者会に参加し、お互いの経験をわかちあうことで「一人ではない」ことに気づくかもしれません。現実に向き合うのはつらいかもしれませんが、がんに前向きに取り組んでいる先輩との交流は、あなたの心身に良い影響をもたらすはずです。
参考資料
- 秋月伸哉 第Ⅱ章精神症状の評価とマネージメント1. がんの経過における正常反応と精神症状.:専門医のための精神科臨床リュミエール24. サイコオンコロジー,大西秀樹責任編集,pp.40-48,中山書店,東京,2010
- 大西秀樹:がん患者の心を救う―精神腫瘍医の現場から,pp.237-242,河出書房新社,東京,2008
- 大西秀樹:化学療法を行う際の精神的支援、外来がん化学療法マニュアル(佐々木康綱 監修),pp.112-113,文光堂,東京,2009