自分自身のケアを
無理のない看病を心掛けましょう
ご家族が抱える不安を軽減するには、患者さんご本人と同じく、がん治療に関する適切な情報のほか、がんの進行に伴って現れる症状、状態を詳しく知ることが必要です。また、ケアに関する基本的な情報を知ることで、ご家族自身の無力感を振り払うのに役立ちます。ぜひ、主治医や看護師、ソーシャルワーカーに積極的に質問をしてください。
しかし、「模範的」ながん患者の家族を目指すことはありません。個々の家庭、家族の事情にあわせて無理なくケアできるよう、信頼できる友人や医療関係者に相談してみましょう。無理のないペースで看病を続けてください。また、経済的な問題など日常生活についての不安がつのることもあるでしょう。そういうときは、がん診療連携拠点病院の相談支援センターや自治体の窓口でソーシャルワーカーと呼ばれる福祉専門職員に相談してください。
参考資料
- 明智龍男:がんとこころのケア,pp.103-104,日本放送出版協会,東京,2003
- 大西秀樹、石田真弓、野村忍:患者家族へのケア-どう対応してゆくか 臨床腫瘍プラクティス 5:174-177,2009
- 大西秀樹:がん患者の心を救う―精神腫瘍医の現場から,pp.237-242,河出書房新社,東京,2008