家族は「第2の患者」
ご家族も本人と同じくらい、心のケアや支えを必要とします
これまでの調査で、がん患者さんを介護するご家族の4人に1人は不安や落ち込みを感じており、その程度は患者ご本人と同じ程度かそれ以上であることがわかっています。しかし、「自分がしっかりしなくては」という思いから、本人や医療者の前で弱音を吐くことが難しいようです。
実はがん患者さんのご家族は「第2の患者」ともいわれ、患者さんと同じか、それ以上に心のケアを必要としています。介護そのものの負担だけではなく、介護に関する様々な手続きや経済的な問題、患者さん以外の家族の生活など、介護者にかかるストレスは思ったよりも大きいものです。もし、「看病がつらい」、「不安で眠れない」と感じたときは、患者さんの主治医や看護師など医療者にまず相談するのがよいと思います。場合によっては、心の専門家を紹介してもらうこともあります。医療者に相談しにくいときは、がん相談支援センターや民間のがん治療相談機関を利用してもよいでしょう。
参考資料
- 明智龍男:がんとこころのケア,pp.98-104,日本放送出版協会,東京,2003
- 大西秀樹 第Ⅲ章ケアとコミュニケーションスキル1. 家族・遺族ケア.:専門医のための精神科臨床リュミエール24. サイコオンコロジー,大西秀樹責任編集,pp.128-138,中山書店,東京,2010
- 大西秀樹:がん患者の心を救う―精神腫瘍医の現場から,pp.176-207,河出書房新社,東京,2008