血液がんサバイバーからのメッセージ「自分でも請求できる障害年金。大切なのは情報収集力」
血液がんサバイバー(罹患時:43歳、請求時:50歳)
きっかけは、デイルームに置かれていた障害年金のチラシ
骨髄移植後のGVHD疑いで入院していた際に、病棟内デイルームで厚労省の障害年金に関するチラシを見つけて、調べてみたことが障害年金を請求したきっかけです。
移植前は障害年金を請求できる認定基準に該当していなかったのですが、改めて条件を確認してみたところ「移植後のGVHDであれば受給できるのでは?」と気が付きました。そこで、担当看護師さんにソーシャルワーカーさんに相談できないかお願いしたところ、看護師長さんから院内の医療ソーシャルワーカーさんへとつないでくださいました。「主治医の診断書がポイントだから、主治医に相談して、受給できるかどうかの感触を確かめてみるのがよいかもしれない」ということで、一度自分の中で整理してから、主治医の回診の時に「自分も請求できますかね?」とまず打診してみました。「多分いけると思います」とあっさり言われて、むしろ拍子抜けしてしまうくらいでした。
診断書を書いてくださったのは、骨髄移植担当チームの先生でした。とても協力的だったのは、先生のお人柄もありますが、比較的大きな病院で障害年金への理解があったり医療クラークさんがいたりと体制が整っていることも大きかったと思います。
障害年金請求用の診断書は本当に煩雑なので、診断書作成の支援体制が整っていない病院では、医師の負担は決して小さくないことも想像できます。医師も通常業務でいっぱいいっぱいの中で診断書を書いてくださっているので、患者の思い通りのスケジュールでは進まないものだと十分理解した上で、余裕を持って診断書を依頼するのがよいように思います。
「街角の年金相談センター」で手続き
比較的体力はあったので、請求は自身で行いましたが、社労士の資格をお持ちの患者会の方が、事前にたくさんの有益なアドバイスをくださったことは大きな助けになりました。
障害年金に関する相談や請求手続きは、年金事務所や「街角の年金相談センター」で可能ですが、「街角の年金相談センター」では常に社労士さんが対応してくれるのが特長です。私は「街角の年金相談センター」を2回訪れましたが、1回目は、社会保険料を払っているかなど受給のための最低限の要件を満たしているか、受給できるとすればどのくらいか、必要な書類は何かなどの事前確認をするために行きました。
エリアや時期にもよるかと思いますが、相談の予約を取るのが思ったより大変でした。やっと予約が取れても1ヶ月後という感じだったので、初回面談時に、必要書類を入手できるスケジュールを十分考慮した上で、次回予約を取り、それまで診断書など必要な書類を確実に揃えられるようにしました。
メリット、デメリットをトータルで考える
自分の体力含め余裕がない場合は、社労士さんにお願いするのも手です。受給の見込み額も踏まえて、依頼にかかるコストと体調との兼ね合いで、自身で手続きするのか、社労士さんに依頼するのかを検討するとよいと思います。
また、遡って障害年金を受け取る場合、健保の傷病手当金の受給期間と重なるときには、傷病手当金を一部、もしくは全額返金することになります。傷病手当金は通算1年6か月と受給期間が限られていますが、障害年金は症状が続く限り受け取ることができることから、私は障害年金の請求手続きをしました。そのあたりも見極めながら、受給のメリットが大きいようであれば、時間と体力があるときに請求してみるとよいかもしれません。