大腸がんサバイバーからのメッセージ「生活の困りごとや仕事への支障を整理して伝える」
大腸がんサバイバー(罹患時:47歳、請求時:50歳)
障害年金を請求する手続き
障害年金のことは、当時参加していたがん患者会で知りました。初めは自分で請求できないかと考えました。しかし、請求が通らなかった患者さんの話や、患者会の方から紹介のあった社労士さんに障害年金について詳しい説明を聞くうちに、自身での請求は諦め、社労士さんに代行をお願いしました。次の診察日には社労士さんが既に病院や主治医と話を進めてくださっていたので、とても助かりました。
社労士さんから、医師の書いてくれた診断書は目を通したほうがよいと言われて診断書を読みました。「その時、受給のために書かれていることだからショックを受けないで」と社労士さんから事前の説明は受けていても、やはり自分の病状はこんなに悪いのかとショックでした。ですが、社労士さんから「ここはもっとこういうふうに書いてもらったほうがよい」とアドバイスを受け、医師にそのように記載いただくようお願いをして、受給につながる診断書を書いていただくことができました。
日常の中の困りごとを自分で意識しておきましょう
とりわけ進行がんの方には、障害年金のことを知っていただきたいし、請求をしてほしいと思っていますが、地域差があることを感じます。地域によっては医師も障害年金のことを知らないことがあります。主治医が診断書の書き方のポイントをご存じなく、患者さんの日常生活を送ることや働く上での困難さを把握されていない場合、「嘘は書けない」と言ってしまうようなケースも知っています。私の場合は、副作用で手が震えたら仕事ができないような精密な作業が求められる仕事をしていましたが、主治医はそうしたこともよく理解してくれていましたし、障害年金のこともご存知でした。主治医には本当に感謝しています。患者は病院へ行くと元気アピールをしてしまいたくなるので、生活の中で困ったことがあるときはメモ書きをしておいて、事前に何に困っているのかを自分で意識してから診察に向かうのもよいと思います。
正しい知識を持って、経験豊富な社労士さんに依頼を
社労士さんに依頼するにあたっては、障害年金の請求から受給までのノウハウを知っている経験豊富な社労士さんを選ばなくてはならないことも痛感しています。NPO法人障害年金支援ネットワークなど、全国の身近な社労士さんを紹介してくれる支援団体もあります。社労士さんに依頼する場合、着手金と成功報酬を支払いますが、相場があるようでないため、一人ではなく複数の社労士さんにコンタクトを取って、金額や自分との相性を確認してから決めたほうがよいと、患者さんにアドバイスしています。
患者さんも障害年金のことを知らないので、傷病手当金と勘違いされたり、怪しい勧誘だと疑われてしまったりするようなこともありました。患者さんも正しい情報を得て、必要とする患者さんには正当な権利として請求をしてほしいと願っています。