社労士からのメッセージ「障害年金は「権利」。初めからあきらめずに、まずは相談を。」
年金相談プラザ 宇代社会保険労務士事務所 社会保険労務士
宇代謙治さん
障害年金は、受給要件に合えば請求する権利があります
障害年金は、受給要件に合っていれば、「請求」する権利があります。障害者手帳などの行政サービスと混同されがちですが、自分たちが支払ってきた年金に対する当然の権利です。生命保険の医療保険に対して保険料を払ってきた対価として請求するのとまったく同じです。
ただし、本来であれば、患者さん自身で簡単に請求の手続きが可能であるべきですが、がん患者さんの障害年金の手続きは複雑で、請求のハードルが高いのも事実です。眼や肢体不自由などのわかりやすい障害以外の、とりわけ内科や精神系の症状の場合は、請求を通すために社会保険労務士(社労士)に相談することも一つの選択です。また、社労士の中でも障害年金に詳しい、経験のある社労士であることが重要です。受給されるべき方が受給できるためにどのように書類を書けばよいか、がんの請求に関して事例をたくさんもつ社労士に依頼することで受給の成功率が上がります。
社労士との付き合い方
社労士に依頼する場合、一般的に初回の相談は無料、依頼を決めたところで着手金が2万円、請求が通れば成功報酬として2ヶ月分が相場といわれていますが、千差万別ですので、事前に確認することをおすすめします。社労士は、ホームページで探すのもよいですが、お住まいの地区の社労士会に相談し、紹介してもらうこともできます。有益なのは、患者会などの口コミ情報です。私のところへ相談に来られる方も患者会の口コミからがほとんどです。
障害年金のことをよくわからないまま手続きを始めると、体調が悪い中で、何度も年金事務所や病院を行き来することにつながり、途中で断念してしまう患者さんもいらっしゃいます。社労士によってやり方は異なりますが、できるだけ患者さんの負担を軽くするために、私自身は着手が決まったら委任状を書いていただき、病院や年金事務所年金事務所とのやりとりを始め、こちらでほとんどの手続きを代行しています。患者さんご自身との面談の回数も極力減らすために、最初に時系列の治療歴のメモ書きを用意いただくようお願いしています。
障害年金は一度目がダメでも、不服申立や再請求が可能です。そのことも視野に、患者さんが受給できるよう手続きを進めます。患者さんには一度であきらめずにトライしていただきたいと思います。