「したい?する?~がんとセックス~」

がんサバイバーのアヤカと恋人のユウキの、がんとセックスをめぐるお話

がんやがん治療による性生活への影響について、無意識に諦めていたり、自分には権利が無いと思い込んでしまったりしている患者に対し、自分にも権利があること、安心して相談できることに気付いてもらうきっかけとするために、アニメーション動画を制作、公開しました。

がんやがん治療に伴う性的側面への影響を改善・軽減する方法や工夫があることを知ってもらう機会になれば幸いです。

アニメーション動画は4分弱です。

病院のサイネージや、音を消して見なくてはならない方用に字幕版もございます。
字幕ありの動画を視聴する:https://youtu.be/1meL7oJCotQ

アニメーション動画制作の背景

がん医療の進歩に伴い、がん治療をしながら、あるいは、がんを克服して日常生活を送っている人が増えていくなか、がんと性(セクシュアリティ)について、当事者だけでなく医療従事者をはじめ社会全体で理解を深め支援をしていくことが重要になってきています。

CNJが2021年にインターネット上で実施した調査でも、回答した305人の患者のうち53.8%が、がんやがん治療に伴う性に関することで困ったことや不安なことをだれにも相談できなかったと回答しています。また、がん患者のパートナーを含む409人のうち9割以上ががんとセックスに関する情報や支援が不足していると回答しました。

CNJでは、がんやがん治療に伴い変化・影響を及ぼす性(セクシュアリティ)にまつわる情報提供や医療現場で活用可能な小冊子、個別相談に応じる専用のアプリケーションの開発、コミュニケーションをサポートするLINEスタンプ制作などを行っていますが、「がん患者にとってセックスは二の次」「がんが治ったんだからセックスなんて贅沢」と考えてしまう患者も多く存在します。その結果、性的側面への影響を改善・軽減する方法や工夫があったとしても、自ら情報を得ようとする患者・パートナーが多いとは言えません。

そこで、当事者は自分ごと化、医療提供者や社会全体は、支援体制の強化を推進するきっかけとなるよう、啓発のアニメーション動画を制作、この度公開いたしました。

認定NPO法人サービスグラントを通じたプロボノ支援により制作

本アニメーション動画制作は認定NPO法人サービスグラント を通じたプロボノ支援により、プロボノワーカーとの協働で実現しました。

認定NPO法人サービスグラントは、”社会課題を前に、誰もが行動を起こし、違いや可能性を活かしあいながら協働できる社会”を目指し、主に、社会人の経験やスキルを活かしたボランティア活動「プロボノ」によって非営利組織が抱える課題の解決を目指す、プロジェクト型支援のコーディネート等に取り組んでいます。現在、プロボノ登録者は7,000人を超え、1,100件以上のプロジェクト運営実績を持ちます。

今回の動画制作には約1年の期間を要し、がんになっても性(セクシュアリティ)について考え、知り、選ぶことが治療後のより良い人生に繋がる、というメッセージが伝わるよう、恥ずかしさやうしろめたさを感じさせない爽やかで前向きなトーン、かつ、どのような選択も受け入れられる安心感・多様性・自由さを心掛け制作されました。

作・演出:谷一郎
脚本・動画:山中澪
声:ハヤシレミ
絵:K.Y.T
音楽:北里玲二
サウンドデザイナー:星本泰憲
題字・コピー:渡邊有子
企画:いとりえ/栗原彩乃/中原春奈/森下剛/渡邊有子
監修:渡邊知映(昭和大学保健医療学部教授)
協力:McRAY/AUDIO SWEET

がん患者やパートナーの性(セクシュアリティ)に関する情報提供・支援事業

CNJでは日本対がん協会協力による休眠預金を活用した助成金事業として2020年度より3年間の計画で「がん患者の性生活(セクシュアリティ)~心と体に及ぼす性的側面のサポート~」を開始いたしました。国内で情報が乏しいがんと性(セクシュアリティ)の問題を、がん患者(小児がん・AYA世代を含む)やそのパートナーに向けて、WEB・冊子・動画を活用して専門家監修のもと広く情報を発信しています。発信する情報は昭和大学保健医療学部教授の渡邊知映先生に総合監修を受けています。

日本対がん協会

本事業は日本対がん協会の協力による休眠預金活用事業です。

休眠預金活用事業