NPO法人キャンサーネットジャパン > 意識調査 > 2017年秋に実施した 乳がん体験者コーディネーター(BEC)認定者に対する”皮下埋め込み型ポート”に関する意識調査結果

調査について

認定NPO法人キャンサーネットジャパンは、株式会社メディコン協力の下、乳がん体験者コーディネーター(BEC)認定者246人に対し、【皮下埋め込み型ポート】に関するアンケート調査をした結果、154人より回答を得ましたので、その結果を公開いたします。


【皮下埋め込み型ポート】とは:

血管内に薬剤を注入するための医療機器です。ポートは完全に皮膚の下に埋め込まれ、抗がん剤治療の際、そこから薬剤を投与することができます。

この意識調査は、点滴で抗がん剤治療を受けるがん患者さんの医療環境の向上に寄与させていただきたいと思い企画・実施いたしました。

概要

アンケート実施期間:2017年10月25日~2017年11月13日
対象:乳がん体験者コーディネーター(BEC)認定者 246人
回答数:154人(有効回答数146人)
調査方法: インターネット

意識調査結果

>>2017年 CVポート意識調査結果全ページPDFはこちらをクリック (2.4MB)

総評

皮下埋め込み型ポートの認知度と、きっかけ

●BEC認定者の89%の人が、皮下埋め込み型ポートを知っていた。
●知ったきっかけは、医療者から知った人は24%にとどまり、がん体験者やがん友達、家族などから情報を得た人が多かった。

抗がん剤治療歴と、皮下埋め込み型ポート使用経験

●BEC認定者の64%の人が点滴を使用した抗がん剤治療の経験はあるが、皮下埋め込み型ポート使用経験者は11%だった。
●使用経験者(16人)の69%の人がQOLの向上を感じていたが、異物感、邪魔に感じる、見た目が気になる人、気にならない人がそれぞれ約過半数であった。
●使用経験者の81%の人が、仮に再度治療をするとしたら皮下埋め込み型ポートを使用したいと答えた。

皮下埋め込み型ポートのイメージや情報

●BEC認定者の52%が、「血管が細い」「何度も失敗された」などの血管からの採血や抗がん剤治療でトラブルを経験しているが、医師から皮下埋め込み型ポートの説明を受けたことがあるのは12%にとどまった。
●皮下埋め込み型ポートのイメージは、ポジティブ、ネガティブ、その両方のイメージが各3割程度となり、「怖い・痛い」「異物」「感染症」 「進行がん」などのキーワードが見られ、今後、使ってみたいと思うかは「わからない」という回答が54%であった。ピアサポ―ター、患者会などの活動をしているBEC認定者に正しい情報が知られていないということは、一般の患者さんは更に知られていないと推測される。皮下埋め込み型ポートの情報を正しく伝えることが急務であると考える。

公開日:2017年12月8日 最終更新日:2018年2月8日