小児脳腫瘍の診断
小児脳腫瘍の診断方法と流れ
小児脳腫瘍では、病気自体と治療によって、日常生活に影響を及ぼす合併症や障害が生じることも考えられるため、適切な診断がその後の経過の鍵を握ります。
脳の病気が疑われる症状がある場合、頭囲拡大は見られないか、聴力・視力、運動神経や感覚神経、歩行などに異常はないかを確かめる診察(神経学的診察)を行った後、MRIやCTなどの画像検査を行います。
造影剤を用いたMRIやCT、脳血管造影、核医学検査(RI検査)などを行うこともあります。必要に応じて、確定診断には、腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で種類や悪性度などを診断する病理診断(生検)を行います。
脳腫瘍の摘出手術と同時に、手術で採取した組織から標本を作製し、染色や遺伝子検査による病理診断を行います。脳腫瘍の種類によっては、がん細胞の拡がりを調べるために、背中から背骨の間に細い針を刺して、脳脊髄液を採取する腰椎穿刺(ルンバール)を行うことがあります。
こうした検査を行う際にも、子どものケアに慣れたスタッフのいる医療チームによるサポートがあれば、子どもが安心して検査を受けることにつながり、より心強いでしょう。
参考資料
もっと知ってほしい小児脳腫瘍のこと 2020年版,pp.12
公開日:2022年1月25日 最終更新日:2022年1月25日