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子宮頸がん患者さんの声

Patient’s Voice ~子宮頸がん患者さんの声~

子宮頸がんを体験をされた方が、診断時・治療中や治療後に何を思っていたのか、ご自身の体験を語っていただいた情報を掲載しています。

Patient’s Voice ~患者さんの声①~

子宮全摘手術をすすめられた私。進行を考えると悲しむ余裕はありませんでした

34歳のとき、不正出血をきっかけに診察を受け、子宮頸がんと告知されました。ステージⅡB期、腺がんでした。検査結果を待つ間に病気についてかなり調べたので、「やはり」という思いが強かったです。担当医から「独身のあなたには申し上げにくいのですが……」と、子宮や卵巣、リンパ節を切除する手術をすすめられました。母や妹は「本当に子宮を取ってしまっていいの?」「セカンドオピニオンを受けては」と心配してくれましたが、がんが進行していると推察できたので、私に悲しんでいる余裕はありませんでした。とにかく前に進まなきゃいけないと、担当医を信頼して子宮全摘出術をし、薬物療法を受けました。

子どもを産みたいと強く望んでいたわけではありませんが、手術後、子どもの姿を見て、なぜだか涙が出てきたこともあります。抗がん剤の治療を終えてからちょうど5年が過ぎ、ようやくひと区切りを迎えたところです。

(40歳・診断から6年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声②~

あれこれ悩まず、前向きに。夫婦で真摯に話し合うことも大切

結婚して1年の節目の検診で、子宮頸がんが見つかりました。私はエステサロンを経営していて、子宮頸がんになったことを公表していました。すると、ウイルス感染という話がひとり歩きしたのか、お客様が激減しました。また、性交渉で感染する率が高いことを男性遍歴の多さと誤解する人もいました。夫婦間でも、どちらがウイルスを持ち込んだのか、感染ルートを詮索してもめることがあるそうです。がんがわかったとき、私は夫と「感染ルートについて、お互いあれこれ悩むのはやめよう」と話し合うことができました。夫も理解してくれ、心の整理が早くつきました。無意味な詮索はせず、前向きに話し合うことが大切だと思います。

(44歳・診断から3年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声③~

ⅠB1期ながら子宮を温存。子どもを授かりました

子宮頸がんとわかったのは結婚して2か月目の頃です。「ⅠB1期の疑いがあるので子宮を取りましょう」と言われましたが、私はどうしても子どもがほしかったので、「残したい」と言い張りました。大学病院でたくさんの患者さんが待っている中、私は1時間も診察室を占拠して担当医と話し合いました。インターネットや本で治療法について詳しく調べていたため、疑問点はすべて質問しました。そこで担当医が、ⅠB1期でも子宮が残せるという論文があるから考えてみようと言ってくれ、子宮を温存する治療を受けることになったのです。納得できるまで話し合えてよかったと思います。
その後、経過観察中に妊娠が判明。いったん治療を中断して同じ大学病院の産科にかかり、無事に出産しました。手術でリンパ節を切除したので妊娠中はむくみが不安でしたが、弾性ストッキングなどで乗り切りました。

(37歳・診断から4年目)

患者さんの声3
Patient’s Voice ~患者さんの声④~

知らなかった術後の後遺症。夫婦の性生活でつらい思いを味わうことに

手術をしても、元の体とは違うのだと実感する毎日です。まれなことらしいのですが、術後にこれほどさまざまな問題が待っているとは。特に夫婦の性生活に関してです。私は、なぜかセックスに対して恐怖心が強くなりました。それに手術で頸部を深く切ったためか、とても痛いのです。夫に悪いと我慢するのですが、体に拒否反応が出てしまいます。イライラして夫にぶつけると今度は夫が傷ついて……。また、ようやく待望の妊娠を果たしたものの、2度とも流産してしまいました。

術後の後遺症はほかにも、排尿障害や排便障害などがあると聞きますが、なかなか人に話せるものではありません。そして、これは夫婦にずっとつきまとう問題かもしれません。後遺症については性生活のことも含めて、夫婦そろって治療前に、担当医から話を聞いたほうがいいと思います。私たちはなかなか質問できませんでしたが……。その分、2人で定期的に話をするよう心がけています。

(44歳・診断から3年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声⑤~

再発、「治療法がない」と言われて傷つきました

ⅢB期と告知され、放射線と薬物療法を受けたものの半年後に再発しました。担当医から「やれることはもうない」と言われたとき、これほど患者を傷つける言葉はないと落ち込みました。たとえ治る見込みは低くても、治療法はあるはず。私は新しい治療を始めるところです。パートナーや仲間、家族に支えられ、穏やかな生活に幸せを感じています。

(44歳・診断から2年目)

参考資料

もっと知ってほしい子宮頸がんのこと 2024年版 p.7、8、13、14、18

公開日: 最終更新日:

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