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子宮頸がんの再発・転移

再発・転移とは、どのような状態になることですか

「再発」とは治療により肉眼的に見えなくなったがんが大きくなり、再び見えるようになることです。「転移」とは、最初の治療時でも再発時でもがんが子宮頸部以外に広がった状態です。

治療により子宮頸がんが肉眼的にいったん消失した後、①再び子宮に現れた場合、②子宮頸がんの細胞がほかの臓器に飛び、大きくなったことが生検で確認された場合、子宮頸がんの再発と判断されます。ただし、①は骨盤内局所再発で転移ではなく、②は骨盤外再発(転移)です。はじめて子宮頸がんと診断されたときに、すでにほかの臓器に腫瘍が確認されている場合も転移になります。

多くが5年以内に骨盤内再発する

子宮頸がんの場合、再発の時期は治療後5年以内が約9割ですが、それ以降にも起こります。大半は骨盤内局所再発ですが、リンパ節や肺、肝臓、骨などに遠隔転移しやすいことがわかっています。そのため治療後1~2年目は3〜6か月ごと、3〜5年目は6〜12か月ごと、6年目以降は1年ごとに定期的な診察・検査(図表16)を受けます。

骨盤内局所再発の場合、放射線療法を受けていなければ、放射線療法が試みられ、骨盤外再発では、肺や脳などの転移巣に応じた治療が行われます(子宮頸がんの治療 図表10)。いずれも根治は困難なことが多く、がんとつきあいながら生活の質を保つことが重視されるようになります。そのため、がんによる症状を和らげる全身化学療法や緩和療法が行われます。

がんゲノムプロファイリング検査を受けられる場合、また、臨床試験に参加できる場合もあるので、担当医に聞いてみましょう。

子宮頸がんの再発・転移を 早期に発見するための検査
臨床試験とは?

新薬や治療法を開発する過程において人間(患者)を対象に有効性と安全性を科学的に調べるのが「臨床試験」です。臨床試験には第1相:安全性の確認、第2相:有効性・安全性の確認、第3相:標準治療との比較による有効性・安全性の総合評価の3段階があります。現在、標準治療として確立されている薬剤や治療法もかつて臨床試験が行われ、有効性や安全性が認められたものです。臨床試験への参加は未来の患者さんに貢献することにもつながっています。

参考資料

もっと知ってほしい子宮頸がんのこと 2024年版,p.18

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