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子宮頸がんの検査

どのような検査が行われ、子宮頸がんだと確定されるのですか

がん検診などでの細胞診検査(PAPテスト)により子宮頸がんが疑われたときには、精密検査として、ハイリスクHPV検査、コルポスコピー(腟拡大鏡診)、生検(組織診)を行い、子宮頸がんか否かを確定します。

がん検診などにおいて、子宮頸部の細胞を専用のブラシでこすり取って、正常な細胞かどうかを顕微鏡で観察する細胞診の結果、子宮頸がんが疑われたときに、精密検査が行われます。

細胞診の判定は、ベセスダシステム(図表4)に則って行われます。

精密検査には、①外来でコルポスコープという拡大鏡を使って子宮頸部粘膜表面を拡大し、細かい部分を観察するコルポスコピーと、②コルポスコピー時、あるいは入院して子宮頸部円錐切除術を行い、がんが疑われる部分から採取した組織の標本を顕微鏡で観察する生検があります。これらの検査の結果、子宮頸がんと確定診断されます。

軽度の病変の疑いがある、意義不明な異型扁平上皮細胞(ASC-US)の場合には、ハイリスクHPV検査を行い、陽性であればコルポスコピーと生検を行います。ハイリスクHPV検査では、子宮頸がん検診と同様に子宮頸部の細胞を採取し、ハイリスクHPVの遺伝子の有無を調べます。

結果(略語) 推定される病理診断 その後の精密検査
扁平上皮系 ①異常なし
(NILM)
非腫瘍性所見、炎症 異常なし:定期検査
②意義不明な異型扁平上皮細胞
(ASC-US)
軽度扁平上皮内病変の疑い 要精密検査:
①ハイリスクHPV検査による判定が望ましい。
・陰性:1年後に細胞診、HPV併用検査
・陽性:コルポスコピー、生検
②HPV検査非施行 ただちに、または6か月後と12か月後に細胞診検査
③HSILを除外できない異型扁平上皮細胞
 (ASC-H)
高度扁平上皮内病変の疑い 要精密検査:
コルポスコピー、生検
④軽度扁平上皮内病変
(LSIL)
HPV感染 軽度異形成
⑤高度扁平上皮内病変
(HSIL)
中等度異形成 高度異形成 上皮内がん
⑥扁平上皮がん
(SCC)
扁平上皮がん
腺細胞系 ⑦異型腺細胞
(AGC)
腺異型または腺がんの疑い 要精密検査:
コルポスコピー、生検、頸管および内膜細胞診または組織診
⑧上皮内腺がん
(AIS)
上皮内腺がん
⑨腺がん
(Adenocarcinoma)
腺がん
⑩その他の悪性腫瘍 その他の悪性腫瘍 要精密検査:病変検索
「患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版」日本婦人科腫瘍学会編、金原出版などを参考に作成

参考資料

もっと知ってほしい子宮頸がんのこと 2024年版,p.5

公開日: 最終更新日:

BOOKLET子宮頸がんの検査に関する冊子