慢性リンパ性白血病の病期(ステージ)
Q.慢性リンパ性白血病の病期について教えてください
A.CLLの病期(進行度)は、改訂Rai分類では低リスクから高リスク、Binet分類ではA~Cの3段階に分けられます。
すぐに治療が必要かどうかは、病期と活動性病態の有無で判断します。
CLLの進行度を表す病期分類は、米国では改訂Rai分類(図表4)、欧州ではBinet分類(図表5)を使っており、日本では2つの分類を使用しています。どちらの分類でも、血液検査で調べた末梢血モノクロナールBリンパ球やヘモグロビン(Hb)の数、貧血や血小板減少の有無、触診によって確認したリンパ節の腫れの有無や個数によって病期が決まります。自分の病期を知ることは、治療の必要性の有無や今後の見通しを知るうえで重要です。
改訂Rai分類では低リスク、Binet分類ではAが最も初期の段階で、予後(病気の見通し)がよいことを示します。Rai分類で高リスク、Binet分類でCの場合には、図表6のような活動性病態がなかったとしても、薬物療法の適応になります。
すぐに治療が必要な状態(図表6)かどうかは、病期のほかに、38℃以上の原因不明の発熱、6か月以内に10%以上の体重減少、寝具を交換しなければならないほどの寝汗などの活動性病態の有無によって判断します。
CLLの治療は日進月歩であり、改訂Rai分類で高リスク、Binet分類でCの人でも長期生存が可能になってきています。
参考資料
もっと知ってほしい慢性リンパ性白血病のこと 2021年版,pp.7
公開日:2022年6月8日 最終更新日:2022年6月8日