NPO法人キャンサーネットジャパン > FAQs > 入院 > Q32:PCR検査せずに移植をしても大丈夫でしょうか
60代・多発性骨髄腫・東京都

Q32:昨年末より抗がん剤治療を始め、今月末より自家移植のため入院をしますが、その際コロナのPCR検査は行わないと主治医から言われました。現在の制度では、移植治療前でも症状がなければ検査はできないとの説明でしたが心配です。PCR検査をせずに移植をうけても大丈夫なのでしょうか。
60代・多発性骨髄腫・東京都

A:
自家移植を目前に控えご心配のことと思います。結論からいうとPCR検査は必ずしも必要ないと考えられます。PCR検査にはこれまでの報告から約30%程度の偽陰性(すなわち、検査は陰性だったがCOVID-19に感染している)が起こり得ると言われています。PCR検査を行ったから安心とは言い切れません。
また患者さんがご心配されているのと同様に、医療機関でもCOVID-19に感染した患者さんが入院して治療を受けるにあたっては、他の患者さんへの影響も考慮して細心の注意を払っています。具体的には、入院する前1−2週間の体調や身の回りに発熱や呼吸器症状のある方がいらっしゃらなかったかなどの問診、入院する前(もしくは入院直後)の血液検査や胸部レントゲン、CT検査などによって限りなくCOVID-19感染の可能性が低いことを確認してから治療に進みます。
病状が安定しており、自家移植を何ヶ月か待てる場合には待つという選択肢もあるかもしれません。ただし、どのような状況になったら自家移植が可能になるという基準も現時点で明確なものはないため、担当の先生との相談が必要となります。
2020.05.13up